学校日記

9/25 朝の集い(校長先生のお話)

公開日
2020/10/01
更新日
2020/10/01

お知らせ

 先週の運動会では、みなさんが生き生きと頑張っている姿に元気をもらいました。朝晩が涼しくなり、いよいよこれからが2学期本番となるので、運動会のように、みんなで力を合わせてチャレンジを続けていきましょう。
 さて、10月5日から、向陽小では2週間の人権週間が始まりますが、今日はみなさんにもちょっと考えてほしいお話をします。
 実は、去年のことですが、私は、こんな場面に出会ったことがあります。旅行に行ったとき、おいしいケーキを買おうと並んでいました。人気のお店で、長い行列もできていました。そんな時に、すごく大きな声が聞こえてきて驚きました。一番前の男の人が店員さんに「何しとんや。いつまで待たせんねん。」と怒鳴っていたのです。バイトらしき店員さんは、あわててその人に商品を渡し、「すいませんでした」とお店を出て行く人の後ろ姿に向かって、今にも泣き出しそうになって頭を下げ続けていました。
お店の中にいたお客さんたちは凍りついたようになり、いやーな雰囲気になりました。
それでも、その店員さんは気持ちを取り直して、次のお客さんに無理やり作った笑顔で「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか。」と尋ねていました。
 その時です。次にいたおじいさんが「君えらいなあ。世の中には、自分の思い通りにならんと怒鳴る人がいるんやなあ。辛い思いしたのに、君はぼくに笑顔で注文を聞いてくれてる。ありがとうな。」と言ったのです。すると、今まで我慢していた店員さんの目から、見る見るうちに涙があふれ、泣いてしまいました。その後、次に並んでいた女の人も、「あなた、頑張ったわよ。いい仕事してるんだから。」と声をかけていました。凍りついていたお店の雰囲気が一気に変わり、私が注文するときには、何もなかったようなもとのお店の様子に戻っていました。
 人は言葉一つで、こんなにも感じ方・受け取り方が違うのです。みなさんは、家や学校で、自分の周りにいる人にどんな言葉で話しているでしょうか。最初の男の人のように、イラッとして、ついきつい言葉・嫌な言葉を投げつけることはありませんか?次のおじいさんや女の人のように「相手の気持ちを考えた言葉」が使えていますか?
言葉には、「言霊」という不思議な力が宿っています。最近テレビでも話題になりましたが、きつくて心に刺さる言葉・相手を攻撃する言葉は、目には見えなくても相手の心から血が流れ、時には命を奪うことさえあります。逆に、心のこもった優しい言葉は、一気に相手の気持ちをやわらげ、元気にすることができるのです。
 ちなみに、大人・子どもにかかわらず、言われて一番うれしくて元気の出る魔法の言葉は、「ありがとう」なんだそうですよ。
 日頃使っている自分の言葉をこの機会に振り返って、毎日誰かに「ありがとう」の気持ちを言葉にして伝えながら、気持ちのよい2学期を過ごしていきましょう。